関東・信越エリア

JFEスチール株式会社

鉄鋼業

「全社員を健康にする」
二本柱のプロジェクトを実施

受動喫煙対策を始めたきっかけは何でしたか?

就業時間内禁煙のスタート時(構内へ入る正門の様子)。

当社は、従業員の9割以上が男性というほぼ完全な男社会です。20年以上前は、過半数が喫煙者で、事務所や作業場での喫煙が当たり前、喫煙はコミュニケーションの場、喫煙は文化という風潮が蔓延し、禁煙による健康活動を受け入れる雰囲気など微塵もない状況でした。
高い喫煙率から、喫煙者のみならず、受動喫煙の影響による健康障害も懸念されていたこともあり、「全社員を健康にする」という志を掲げ、JFEグループ健康宣言を受け、2017年に「Smoke Free JFE千葉」(以下SFJ千葉)を立ち上げ禁煙活動を推進してきました。SFJ千葉発足当時の喫煙率は、37.1%と、日本人男性の平均より高い状態が続いていたことが、より積極的な禁煙対策推進への大きな根拠にもなっています。

どのような取り組みをされましたか?

禁煙教室の1コマ。所属の喫煙者に集まってもらい実施しています。講座を実施したあと、ちょっと試してみたいなという希望者に、おためしでパッチを処方する「おためしパッチ7」を実施しています。

【現状把握】
従業員の喫煙率や構内のたばこ自動販売機の台数、社有車内の喫煙状況などの実態について、まずは現状把握することから始めました。その現状を踏まえ、禁煙支援と受動喫煙対策の二本柱で計画を立案しました。(第1期:2017年~2020年 第2期:2021年~2024年)

【第1期】
受動喫煙対策として、屋内喫煙所の廃止や自動販売機の撤去等を計画し推進しました。並行して、喫煙者への禁煙支援として、啓発活動や禁煙教室の実施、禁煙外来への受入れなどの活動を行いました。一人一人の社員に寄り添い、職場のサポートを受けながら丁寧に進めています。

【第2期】
第1期の活動を継続しつつ、受動喫煙対策をさらに推進しています。就業時間内完全禁煙に向けた活動や、屋外喫煙所の撤去等を進める活動を展開していきました。地道な活動を継続することで、従業員の理解が得られ、2021年4月には、銑鋼一貫製鉄所で国内初の就業時間内禁煙をスタートしました。
さらに、閉鎖した屋内喫煙所を全ての従業員が利用できるリフレッシュコーナーにする案を募集し、助成金を拠出しました。汚い、臭い、暗い空間が、現在では、従業員の癒しやコミュニケーションの場として大きく変化を遂げ利用されています。
また、禁煙支援では、2023年から所属に保健師が出向く出張禁煙外来・おためしパッチ7(ニコチンパッチを7日分試してみる)など、従業員が参加しやすくするための工夫や、職場単位でチャレンジできる施策を実施しています。

今後に向けた課題を教えてください

元喫煙所が、癒しの空間に変わりました。コミュニケーションの場としても大活躍です!

SFJ千葉の活動を立ち上げて8年目を迎えます。発足当時37.1%あった喫煙率は、2023年28.6%まで低減し着実に活動の成果が反映されています。しかし、ここ1、2年の喫煙率は28%台で停滞しており、喫煙者の中の無関心層へのアプローチが課題となっています。
今後は「職場」「禁煙無関心層」を活動ポイントとして、職場を巻き込み、従業員みんなで一緒に楽しく取り組める禁煙推進活動を実施していきます。また、もう1つの課題である「コミュニケーションを図るための喫煙」がなくなる環境づくりも検討していきます。

JFEスチール株式会社 東日本製鉄所(千葉地区)
所在地:千葉市中央区川崎町1番地
事業概要:鉄鋼業
https://www.jfe-steel.co.jp/works/east/chiba/

令和5年度掲載

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